プロダクトができた。さあ広告を — その順番が、立ち上げ期のBtoB事業では機能しません。広告が効くのは「誰に何を言えば刺さるか」が分かってからです。最初の10社は、効率の悪い手作業で獲得するもの。ここを飛ばすと、広告費は当てずっぽうのメッセージの検証代に消えます。
3つのルート — 紹介・既存接点・直接開拓
①紹介:経営者・取引先・支援機関からの紹介は、初期の信用不足を補う最強のルートです。「◯◯の課題がある会社を1社紹介してください」と具体的に頼むのがコツ。②既存接点:既存事業の顧客・休眠リード・セミナー参加者。すでに接点がある相手への新提案は、ゼロからの開拓より数倍通ります。③直接開拓:ターゲットを絞った手紙・フォーム営業・SNSでの発信。量は出ませんが、メッセージの反応率がそのまま検証データになります。
初期顧客は「売りやすい客」ではなく「学べる客」を選ぶ
最初の10社の役割は売上ではなく学習です。選ぶべきは、課題が深刻で、フィードバックをくれて、改善に付き合ってくれる顧客。逆に、付き合いで導入してくれる「優しい顧客」からは何も学べません。値引きしてでも取るべきは前者、無料でも避けるべきは後者です。
新規事業の担当者調査では、成功と評価できた事業は30.6%(パーソル総合研究所・2022・担当者n=1,800)。初期顧客からの学習を仕組みにできるかが、その後の伸びを分けます。
10社から取るべき3つの成果物
10社の獲得プロセスからは、売上以外に3つの資産を回収します。①勝ちメッセージ(どの言葉に反応したか)、②共通する顧客像(業種・規模・きっかけの共通点)、③導入障壁のリスト(稟議で何がひっかかったか)。この3点が揃って初めて、広告・SEO・展示会といった「仕組みの集客」に投資する準備が整います。売る仕組みへの移行は生成AIを売る仕組みに組み込む方法をご覧ください。
提案の通し方・価格の見せ方で悩んだら、価格の決め方もあわせてどうぞ。
出典:パーソル総合研究所「企業の新規事業開発における組織・人材要因に関する調査」(2022・担当者n=1,800)。