PROTOCORE
PROTOCORE LAB / 方法論 / この記事

Lab — 方法論

BtoB顧客インタビューのやり方|対象者の選び方・募集・質問例

公開 2026-11-02方法論読了目安 6分
監修
#顧客インタビュー#質問設計#対象者選び#業務効率化#データ活用

BtoBの顧客インタビューで、初めて話を聞く相手を探している。あるいは、話は聞けたのに次に何を作るか決まらない。どちらも、質問を増やす前に今回、何を知るために誰へ聞くのかを決めましょう。顧客インタビューは、相手の具体的な経験や判断の理由を知る方法です。

この記事では、目的に合う対象者の選び方から、募集方法と依頼文、質問例、記録、次の確かめ方までを紹介します。好意的な感想を集めるだけで終わらず、企画のどこを見直し、誰に何を確かめるかを決めるための手順です。

  • まずは:企画書を開き、「何が分かれば、次の何を決められるか」を1文で書きましょう。例は「点検記録をどう共有しているかを知り、改善を試す必要があるか、あるならどこかを選ぶ」です。
  • 1週間以内の実行案:その経験を持つ候補者を探し、目的と条件を伝えて依頼しましょう。面談できたら、確認できたことと次の問いを残します。日程が合わなければ、候補者の担当経験を確かめて依頼するところまでで構いません。

顧客インタビューの対象者選び|目的に合う経験者を探す

対象者は、今回知りたい仕事や判断を経験した人から選びましょう。課題を探す面談と、試作品を評価する面談では、必要な相手も進め方も変わります。今の問いに近い行を選んでみましょう。

知りたいこと

相手・確かめ方

どんな仕事や場面で困るのか

その仕事をした人に、最近の一件を聞く。

想定した困りごとは、どの条件で起きるか

該当経験者と、同じ条件でも対処できた人の経験を比べる。

試作品でやりたい仕事をできるか

対象者に具体的な作業を試してもらい、操作を観察する。

どんな条件で購入・導入するか

最近の比較・選定・予算判断に関わった人へ、実際の経緯を聞く。

使う人が購入を決めるとは限りません。肩書だけで選ばず、「最近いつ、どの仕事に、どこまで関わりましたか」と候補者へ聞きましょう。同じ人が両方を担当する場合も、作業の経験と購入条件は分けて確かめます。

面談では、市場全体の何割が困っているかまでは決まりません。割合や規模を知りたい場合は、公開資料・市場調査の進め方と組み合わせましょう。

対象者の募集方法と依頼文|条件・接点・頼み方を見直す

候補が集まらないときは、対象条件・接触する経路・依頼内容を分けて見直しましょう。市場の小ささだけが理由とは限らず、条件の伝わり方や紹介先、時間・守秘の制約も関わります。

  • 条件:役職より、確かめたい業務や出来事の経験を書く。「困っている人」だけを条件にせず、うまく対処できた人も比べる。
  • 接点:既存顧客・紹介、業界団体やコミュニティ、募集支援などを比べる。誰に届き、誰には届かないかも残す。
  • 依頼:目的、所要時間、方法、謝礼、記録の扱いを明示する。応答がない場合は、どこで途切れたかを確認する。

記入例:点検記録の共有を調べるための依頼文です。空欄を決めてから使ってみましょう。

[所属・名前]です。点検記録を共有するときの進め方を調べています。最近、記録の記入・共有を担当した方に、その一件の流れを伺いたいです。所要時間は[ ]、方法は[ ]、謝礼と条件は[ ]です。営業の有無は[ ]、記録の利用目的・共有先・保存期間は[ ]です。回答や参加は任意で、話せない内容は省いていただけます。お問い合わせ先は[ ]です。

同席者、録音、資料の複写、外部サービスでの文字起こし・AI整理を行う場合は、その範囲も事前に説明して了承を得ましょう。録音を希望しない相手には、許されるメモの範囲を確かめます。

募集を外部へ頼む場合も、対象経験と除外理由が合っているかを確認しましょう。募集・日程調整だけを頼むのか、設計・聞き取り・分析も必要かで、依頼する仕事が変わります。

顧客インタビューの質問例|最近の一件を具体的に聞く

「いつも大変ですか」だけでは、どこで何が起きたかをつかめません。具体的な一件を、始まりから結果まで順に聞きましょう。

  1. 起点:「最後にその仕事をしたのは、どんなときでしたか」
  2. 手順:「最初に何を使い、次に誰へ何を渡しましたか」
  3. 詰まりと対処:「そのとき、進めにくかったことはありましたか。どう対処しましたか」
  4. 結果と別の例:「最後はどうなりましたか。違う進み方をした一件はありますか」

最近の一件を「起点→手順→詰まりと対処→結果と別の例」の順にたどる質問の流れ。順番は目安で、相手の答えに合わせて次の問いを選ぶ。
質問の順番を守るより、相手の答えを受けて次を選びましょう。たとえば「うまく共有できた」という話なら、困りごとを探す質問を重ねる必要はありません。

  • 聞き手:最後に点検記録を共有したときは、どう進めましたか?
  • 相手:共有フォルダを使って、特に困らず終わりました。
  • 聞き手:何をどこへ置き、誰が受け取るところまで進めましたか?

聞き方の例です(仮例)。相手の説明を待ってから、必要なら「差し支えない範囲で、その記録も見せてもらえますか」と了承を確かめましょう。

問題なく進んだ条件が分かれば、別の人が再送していた理由と比べられます。「本当は困っているはず」と誘導せず、同じ問いに違う答えが出た理由を調べましょう。

意見や期待を聞くこと自体が無意味なのではありません。比較の仕方や懸念を知る手がかりになります。ただし、「使いたい」という回答を利用実績や支払いと同じ証拠にはしません。

時間や費用を使って対処していない場合も、すぐに課題を捨てず、予算・権限・代わりの手段があるかを聞きましょう。逆に、制約があるというだけで、自社の商品が売れるとは限りません。

インタビュー結果のまとめ方|発言・観察・解釈を分ける

発言・観察したこと・自分の解釈は、別々に残しましょう。面談の記録には、相手の役割と募集経路、日時、確かめた問いを添えます。引用と要約を区別し、録音の時刻や確認した画面など、後からたどれる出所を残しましょう。

次は、先ほどの「問題なく共有できた一件」とは別に、リンクを再送した一件の記録例です(仮例)。比べるときに混ざらないよう、確認した記録を一件ずつ分けて残しましょう。

この例なら、まず受取側へ「リンクを開けましたか。どの記録を探していましたか」と確かめましょう。問題なく共有できた一件の保存先や渡し方とも比べ、保存先を直すのか、別の箇所を確かめるのかを選びます。

AIで要約する場合も、元の発言や資料と照合します。「質問しなかった」「覚えていない」「明確に否定した」は別の状態なので、一つの空欄にまとめないようにしましょう。

調査の組み合わせの例として、PRISMのPanasonic支援事例では、高齢者と専門家への聞き取りに、定量調査と複数案の試作を組み合わせています。一回の面談ですべてを決めず、分からないことに合う方法を重ねた公開例です。

インタビュー後の検証|残った疑問に合う方法を選ぶ

「10件聞いたから合格」とは決めず、重要な役割・状況を押さえたか、説明が分かれる点や反例が残っていないかを見ましょう。

まだ分からないこと

次にすること

説明と実際の作業が違うかもしれない

許可された範囲で、操作や記録を一緒に確認する。

試作品を使って仕事を完了できるか

具体的な作業を試してもらい、操作を観察する。

どの層に、どのくらい起きるか

定義をそろえた記録や、対象に合う調査で確かめる。

提示した条件で実際に購入するか

提供できる範囲と価格を明示し、申込み・支払い・利用を別々に確かめる。

期限で調査を区切る場合も、未解決を残しましょう。面談後は分かったこと/別の説明/次に確かめる相手・方法を1行ずつ書くと、次の作業を相談できます。事業全体のどこへ戻るか迷ったら、新規事業9工程の地図も確認してみましょう。

方法の参考:GOV.UKの面談ガイド、観察・解釈・次の行動を分ける分析ガイド。本記事の表と記入例は、それらを事業検討の場面へ整理したものです。

止まりどころを、5分で診断

記事のテーマを自社に当てはめるなら、まずは無料の事業創出ドックから。1日で事業仮説まで進める One Day. もあります。

TOKO

Supervisor

TOKOTOKO

Content Design / Media Ops

チームの紹介を見る →