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顧客インタビューのやり方 — 仮説検証で聞くべきこと・聞いてはいけないこと

公開 2026-09-05方法論読了目安 6分
#顧客インタビュー#検証#新規事業

顧客インタビューは新規事業検証の中心にある技術ですが、やり方を誤ると「好意的な感想」ばかりが集まり、間違った自信とともに前に進んでしまいます。この記事では、判断材料になるインタビューの設計原則をまとめます。

原則:意見ではなく「事実」を聞く

人は未来の自分の行動を正しく予測できません。「使いたいですか?」への「はい」は、ほぼ何も意味しません。聞くべきは過去と現在の事実です。

  • ×「この製品、使いたいですか?」 → ○「その課題に、いま実際どう対処していますか?」
  • ×「いくらなら払いますか?」 → ○「その対処に、いま時間とお金をどれくらい使っていますか?」
  • ×「便利だと思いませんか?」 → ○「最後にその問題が起きたときのことを、順を追って教えてください」

すでに時間かお金を使って対処している課題は本物です。何も対処していない課題は、本人が言うほど深刻ではないことがほとんどです。

同じ話題でも、聞き方で答えの価値が変わる原則:意見ではなく「事実」を聞く× 意見・仮定をたずねる○ 過去と現在の事実をたずねる×「この製品、使いたいですか?」「その課題に、いま実際どう 対処していますか?」×「いくらなら払いますか?」「その対処に、いま時間とお金を どれくらい使っていますか?」×「便利だと思いませんか?」「最後にその問題が起きたときの ことを、順を追って教えてください」判断のものさしすでに時間かお金を使って対処している課題は本物。何も対処していない課題は、本人が言うほど深刻ではないことがほとんど。
×(意見・仮定を聞く質問)と○(過去と現在の事実を聞く質問)の対比。判断材料になるのは、すでに時間かお金を使って対処しているという事実。

聞いてはいけない3つの質問

  • アイデアの説明から始める — 説明した瞬間、相手は「否定しない優しい人」になります。課題の話を先に、解決策の話は最後に
  • 誘導質問 — 「〜って不便ですよね?」は同意を集める儀式にしかなりません
  • 仮定の未来 — 「もし〜だったら使いますか?」への回答は検証データに数えない

支払い意思は「行動」で確かめる

口頭の「買います」より一段強い証拠を段階的に取りにいきます。①具体的な導入時期・稟議プロセスを自分から語り始める ②社内の決裁者への紹介を約束する ③有償トライアルやLOI(発注意向書)に応じる。検証の確度は、この行動の強さで記録します。

記録のコツ: 発言を「事実(過去の行動)/課題感(感情)/要望(意見)」に分類してメモする。判断に使えるのは主に前の2つです。5件も聞くと傾向が見え、10件で仮説の生死はほぼ判定できます。1件ごとの記録テンプレートを事前に固定しておくと、チームでの共有と後からの監査が容易になります。

誰に聞くか — 「理想の顧客」から外れた人に聞かない

知人や社内の優しい人へのインタビューは練習にはなりますが、検証にはなりません。仮説で定義した「誰が・どんな状況で」に合致する人を探すこと自体が検証の一部です — 対象者が見つからないなら、それは市場が小さいというシグナルでもあります。

インタビュー設計は新規事業の進め方ガイドの工程5(検証)に位置づく実務です。PROTOCOREの事業創造スプリント「Sprint.」では、この設計と実査に8週間伴走し、結果を役員会に出せる形まで構造化します。まずは無料のWeb診断で、検証プロセスのどこが弱いかから確認してみてください。

参考: 顧客インタビューの原則は Rob Fitzpatrick『The Mom Test』の考え方を、日本企業の新規事業検証向けに再構成したものです。