「新規事業の成功率は千に三つ」とよく言われますが、実際の調査データはもう少し具体的な景色を見せてくれます。この記事では、公開されている主要調査の数字を横断的に整理し、その読み方を解説します。
大企業780社調査 — 100社中、中核事業になるのは4社
アビームコンサルティングが年商200億円以上の大企業780社を対象に行った調査(2018年)では、新規事業テーマの到達率は次のように減衰します。
つまり「立ち上げ」までは半数近くが到達する一方、事業として意味のある水準(黒字化・中核化)に届くのはごく一部です。落ちているのは主に立ち上げ後の検証・成長フェーズだと分かります。
投資回収に至るのは約21% — PwC調査(2025)
PwCコンサルティングが売上高10億円〜1兆円超の約1,000社を対象に行った調査(2025年)では、投資回収に至る新規事業は約21%、主力事業化は10%未満でした。企業規模による差も大きく、主力事業化率は中小企業6.4%に対し超大手企業17.1%と、リソースと仕組みの差が結果に表れています。
「成功している」と答える担当者は約3割
パーソル総合研究所の調査(2022年・担当者n=1,800)では、新規事業開発が「成功している」と答えた担当者は30.6%。中小企業白書(2017年版)でも、新事業展開で「成功した」とする中小企業は約29%で、おおむね3割前後という水準は複数調査で一致しています。
数字より重要なのは「どこで止まったか」
同じパーソル調査は、成功を阻む課題のランキングも示しています。
- 第1位:担い手となる人材の確保 — 38.9%
- 第2位:知識・ノウハウ不足 — 38.6%
- 第3位:意思決定の遅さ — 30.7%
- 第4位:評価制度の不適合 — 30.5%
注目すべきは、これらがすべてアイデアの良し悪しではなく「組織の仕組み」の問題だという点です。成功率3割という数字は宿命ではなく、人材・プロセス・意思決定基準を仕組みで持てるかどうかで動く変数だと読めます。
確率を上げる3つの論点
- 止まりどころを特定する — 自社が45→17→4の坂のどこで落ちているかを先に知る。
- 検証の基準を先に決める — 「続ける・変える・やめる」を数字で合意してから始める。
- 個人依存を減らす — 企画と検証のプロセスを、人の頭の中ではなくツールと手順に載せる。
PROTOCOREでは、この「止まりどころ」を5分で整理できる無料のWeb診断を提供しています。自社の現在地を一般データと比べるところから始めてみてください。