「UXリサーチ=リリース前のユーザビリティテスト」という理解は、半分だけ正しく、新規事業では順番を間違えています。使いやすさは使う理由がある人にとってしか意味がありません。新規事業のUXリサーチは、画面ができる前 — そもそも誰のどんな体験を作るのかを確かめるところから始まります。
先に確かめる3つの問い
①現状の体験はどうなっているか:顧客はいま、その課題をどんな手順・道具・回避策でしのいでいるのか。②どこに摩擦があるか:手順のどこで時間が溶け、誰がストレスを感じているか。③新しい体験は現状に置き換わるか:便利でも、既存のやり方を変えるコスト(学習・稟議・習慣)を上回らなければ使われません。この3つが「使いやすさ」より先です。
発言より行動 — 現場観察のすすめ
インタビューで「困っています」と言った人が、実際には器用な回避策で満足していることはよくあります。逆に「特に困っていない」と言う人の画面に、付箋とExcelの多重管理が映っていることも。語られた課題より、観察された行動のほうが信頼できます。可能なら実際の業務画面を共有してもらい、「いつもの手順をそのまま見せてください」と頼む — これだけでリサーチの質は跳ね上がります。聞き方の技術は顧客インタビューのやり方と地続きです。
プロトタイプは「体験の実験装置」
体験仮説が立ったら、画面のモックアップで操作ではなく判断を観察します。「この画面を見て、次に何をしますか」— 迷った箇所が、体験設計の穴です。作り込みの程度は確かめたいことで決めます(プロトタイプの作り方)。
UXリサーチを事業判断につなげる
リサーチ結果は「気づきの一覧」で終わらせず、事業の判断に接続します。体験の摩擦が深い箇所=提供価値の源泉、置き換えコストが高い箇所=営業・オンボーディングで潰すべき障壁。UXリサーチは、デザインの工程ではなく事業検証の中核工程です。検証全体の設計はPoC止まりを防ぐ検証設計をご覧ください。
PROTOCOREは、UX調査・体験設計を新規事業の検証プロセスに組み込む支援を行っています(UXリサーチツール「UX PENGUIN」の提供元です)。開発前リサーチの設計は無料相談でもお答えしています。