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新規事業のUXリサーチ入門 — 「使いやすさ」より先に確かめること

公開 2026-09-07UX・デザイン読了目安 8分
#UXリサーチ#UX#検証#顧客理解

「UXリサーチ=リリース前のユーザビリティテスト」という理解は、半分だけ正しく、新規事業では順番を間違えています。使いやすさは使う理由がある人にとってしか意味がありません。新規事業のUXリサーチは、画面ができる前 — そもそも誰のどんな体験を作るのかを確かめるところから始まります。

先に確かめる3つの問い

①現状の体験はどうなっているか:顧客はいま、その課題をどんな手順・道具・回避策でしのいでいるのか。②どこに摩擦があるか:手順のどこで時間が溶け、誰がストレスを感じているか。③新しい体験は現状に置き換わるか:便利でも、既存のやり方を変えるコスト(学習・稟議・習慣)を上回らなければ使われません。この3つが「使いやすさ」より先です。

「使いやすさ」より先に確かめる3つの問い 新規事業のUXリサーチは、画面ができる前から始まる 1 現状の体験は どうなっているか いま、どんな手順・道具・ 回避策でしのいでいるか 2 どこに摩擦が あるか どこで時間が溶け、誰が ストレスを感じているか 3 新しい体験は現状に 置き換わるか 変えるコスト(学習・稟 議・習慣)を上回るか 上回らなければ使われない その後 使いやすさ = 使う理由がある人に とってしか意味がない この3つが「使いやすさ」より先 — 画面ができる前に確かめる
新規事業のUXリサーチで先に確かめる3つの問い(①現状の体験/②摩擦の在りか/③現状に置き換わるか)と、その後に来る「使いやすさ」の順番。

発言より行動 — 現場観察のすすめ

インタビューで「困っています」と言った人が、実際には器用な回避策で満足していることはよくあります。逆に「特に困っていない」と言う人の画面に、付箋とExcelの多重管理が映っていることも。語られた課題より、観察された行動のほうが信頼できます。可能なら実際の業務画面を共有してもらい、「いつもの手順をそのまま見せてください」と頼む — これだけでリサーチの質は跳ね上がります。聞き方の技術は顧客インタビューのやり方と地続きです。

プロトタイプは「体験の実験装置」

体験仮説が立ったら、画面のモックアップで操作ではなく判断を観察します。「この画面を見て、次に何をしますか」— 迷った箇所が、体験設計の穴です。作り込みの程度は確かめたいことで決めます(プロトタイプの作り方)。

UXリサーチを事業判断につなげる

リサーチ結果は「気づきの一覧」で終わらせず、事業の判断に接続します。体験の摩擦が深い箇所=提供価値の源泉、置き換えコストが高い箇所=営業・オンボーディングで潰すべき障壁。UXリサーチは、デザインの工程ではなく事業検証の中核工程です。検証全体の設計はPoC止まりを防ぐ検証設計をご覧ください。

新規事業の担当者調査では、成功と評価できた事業は30.6%(パーソル総合研究所・2022・担当者n=1,800)。作ってから「使われない」が判明する前に、体験の検証を前倒しできるかが分かれ目です。

PROTOCOREは、UX調査・体験設計を新規事業の検証プロセスに組み込む支援を行っています(UXリサーチツール「UX PENGUIN」の提供元です)。開発前リサーチの設計は無料相談でもお答えしています。

出典:パーソル総合研究所「企業の新規事業開発における組織・人材要因に関する調査」(2022・担当者n=1,800)。