「プロトタイプを作ろう」と決めた瞬間、多くのチームはいきなり開発会社に見積もりを取ります。しかしプロトタイプの目的は製品を作ることではなく、仮説を確かめることです。確かめたいことが決まっていなければ、どんなに立派なプロトタイプも「作っただけ」で終わります。
4つの形態 — 確かめたいことから逆算する
私たちは検証目的に応じて4形態を使い分けます。①コンセプトシート(1枚の企画書。課題と提供価値への共感を確かめる)、②ペーパープロトタイプ/モックアップ(画面や体験の流れ。使い方が伝わるか、欲しい機能はどこかを確かめる)、③動くプロトタイプ(主要機能だけが動く。実データ・実業務で価値が出るかを確かめる)、④MVP(お金を頂ける最小構成。支払い意思と継続利用を確かめる)。
鉄則:ひとつ前の形態で確かめられるなら、作らない
形態が上がるほどコストは10倍単位で増えます。「共感が取れるか」を確かめるのに動くものは要りません。逆に「業務で使い続けるか」は紙では確かめられません。いま確かめたい仮説に対して、答えが出る最小の形態を選ぶ — これがプロトタイピングの唯一のルールです。検証の設計全体はPoC止まりを防ぐ検証設計にまとめています。
生成AIで「動くもの」の値段が変わった
かつて数百万円・数ヶ月かかった「動くプロトタイプ」は、生成AIによるコード生成で数日〜数週間・数十万円規模まで圧縮できるようになりました。これは「安く作れる」以上の意味を持ちます。形態③のハードルが下がったことで、紙で議論するより動くもので確かめるほうが速い場面が増えたのです。ただし④MVPの作り込みは別物です。検証済みの価値だけを載せる原則は変わりません。
作り込みすぎのサイン
「せっかく作るならログイン機能も」「管理画面もあったほうが」— 仮説の検証に関係ない機能の話が出始めたら、作り込みすぎのサインです。プロトタイプは捨てる前提の道具です。捨てられない金額と期間をかけた時点で、それは検証ではなく開発になっています。
PROTOCOREでは、リサーチ・プロトタイプ・検証をセットで設計する支援を行っています。どの形態から始めるべきかは、無料相談でも壁打ちできます。