Anthropicの開発者向けアカウントは2026年10月23日、ClaudeへのMCP TasksとElicitations対応を発表しました。Tasksは深い調査のような長時間処理をプラグインに任せ、完了後に結果を返します。Claude Code CLIでは同日から利用でき、ほかのClaude製品へは順次展開予定です。変わるのは、AIに長い依頼を出せることだけではありません。仕事の途中状態を残し、人の入力を差し込めるようになります。
調査レポートは「待つ仕事」から「状態を追う仕事」へ
たとえば競合調査レポートをプラグインに任せる場合、最初の依頼を送って結果を待つだけでは、接続が切れた後に何を確認すべきか分かりません。MCPの公式仕様では、Tasksは追跡用のタスクを作り、実行中・入力待ち・完了・失敗・キャンセルなどの状態を返します。再接続後も同じタスクIDで状態や結果を確認できます。これは、処理そのものが途中から再実行されることを保証するものではありません。
この仕様から企業が決めるのは、長い処理を使うかどうかだけではありません。どの状態を完了とみなし、失敗時に再実行するのか。途中で止まった仕事を誰が引き取るのか。タスクIDと結果を記録できるかを先に決めます。
人の入力は「質問」ではなく、業務の分岐になる
Elicitationsは、プラグインが処理の途中でユーザーへ入力を求める仕組みです。公式の例には、返金を確認する、足りない情報を入力する、といった場面があります。競合調査なら、対象市場が未指定でも、回答に依存しない準備だけを進め、必要な入力を人に戻す、といった分岐を設計できます。
ただし、MCPが業務上の承認判断を代行するわけではありません。返金額の確定や外部送信を人に戻すのか、期限を過ぎた入力待ちをキャンセルするのか、同じ処理の重複をどう防ぐのかは、業務側で決める必要があります。キャンセルを要求しても実処理の停止は保証されないため、キャンセル後の状態や結果をどう確認するかも決めます。
最初の導入では、止まった後の担当を決める
競合調査を最初の対象にするなら、入力待ちになったときの担当者、失敗時に再実行する条件、キャンセル後に残す記録を先に決めます。接続が切れたときも、タスクの状態から続行・再実行・終了を選べるようにするためです。
長時間処理を導入する判断は、処理時間の短縮だけで決めません。途中状態を引き継ぎ、必要なときに人が判断を戻せる仕事かどうかを確認します。
- ClaudeDevs(Anthropic)「MCP Tasks and Elicitations」 — https://x.com/ClaudeDevs/status/2113698001889927608
- ClaudeDevs(Anthropic)「Tasks and Elicitations are available today in the Claude Code CLI」 — https://x.com/ClaudeDevs/status/2113698007892070527
- Model Context Protocol「Tasks」 — https://modelcontextprotocol.io/extensions/tasks/overview