新規事業の本を3冊読むと、20個のフレームワークに出会います。全部を使おうとしたチームは、フレームワークを埋める作業で数ヶ月を消費し、顧客に一度も会わないまま力尽きる — これが「フレームワーク疲れ」です。道具は多くても、使う場面と順番さえ押さえれば、実務で必要なものはわずかです。
大原則:フレームワークは「考えるため」ではなく「検証するため」に使う
フレームワークの正しい役割は、思考の整理ではなく検証すべき仮説を特定することです。埋めて満足するものではなく、「どのマスが一番怪しいか」を見つけて顧客に確かめに行くための地図です。この視点がないと、どの道具も書類仕事になります。
フェーズ①テーマ探索:SWOTより「アセット棚卸し」
初期のテーマ探しで市場分析系のフレームワーク(PEST・5F)から入ると、企画は一般論になります。先に使うべきは自社の技術・顧客基盤・知見を書き出すアセットの棚卸しです。理由と手順は自社アセット起点の企画法に詳しくまとめています。
フェーズ②仮説整理:リーンキャンバス1枚で足りる
事業仮説の整理はリーンキャンバス1枚。ビジネスモデルキャンバスとの二枚持ちは不要です。書き方と「計画書に育てる順番」はリーンキャンバスと事業計画書の使い分けをご覧ください。ここで9マスのうち一番怪しいマス(多くは「課題」)が次の検証対象になります。
フェーズ③検証:PSF→PMFの2段ゲート
検証フェーズの背骨はPSF(課題と解決策が噛み合っているか)→PMF(市場がお金を払い続けるか)の2段ゲートです。PSFの道具が顧客インタビューとプロトタイプ(インタビューのやり方/プロトタイプの作り方)、PMFの道具が有料トライアルと継続率です。判断基準を先に数字で決めておく設計はPoC止まりを防ぐ検証設計で解説しています。
フェーズ④事業化:KPIツリーと段階投資
立ち上げ後は、フェーズに応じてKPIを切り替えるKPI設計と、検証の通過ごとに予算を解錠する段階投資が実務の中心になります。ここまで来ると、フレームワークより「毎週の学習ループ」(学習ループの回し方)が主役です。
迷ったら「いま確かめたいことは何か」に立ち返ってください。それに答えられないフレームワークは、今は使わなくてよい道具です。全体の流れは新規事業の進め方 完全ガイドをどうぞ。