PROTOCORE
PROTOCORE LAB方法論 / この記事

Lab — 方法論

新規事業フレームワーク総まとめ — 使う場面と順番を間違えない

公開 2026-09-07方法論読了目安 9分
#フレームワーク#事業企画#進め方#新規事業

新規事業の本を3冊読むと、20個のフレームワークに出会います。全部を使おうとしたチームは、フレームワークを埋める作業で数ヶ月を消費し、顧客に一度も会わないまま力尽きる — これが「フレームワーク疲れ」です。道具は多くても、使う場面と順番さえ押さえれば、実務で必要なものはわずかです。

大原則:フレームワークは「考えるため」ではなく「検証するため」に使う

フレームワークの正しい役割は、思考の整理ではなく検証すべき仮説を特定することです。埋めて満足するものではなく、「どのマスが一番怪しいか」を見つけて顧客に確かめに行くための地図です。この視点がないと、どの道具も書類仕事になります。

フェーズ①テーマ探索:SWOTより「アセット棚卸し」

初期のテーマ探しで市場分析系のフレームワーク(PEST・5F)から入ると、企画は一般論になります。先に使うべきは自社の技術・顧客基盤・知見を書き出すアセットの棚卸しです。理由と手順は自社アセット起点の企画法に詳しくまとめています。

フェーズ②仮説整理:リーンキャンバス1枚で足りる

事業仮説の整理はリーンキャンバス1枚。ビジネスモデルキャンバスとの二枚持ちは不要です。書き方と「計画書に育てる順番」はリーンキャンバスと事業計画書の使い分けをご覧ください。ここで9マスのうち一番怪しいマス(多くは「課題」)が次の検証対象になります。

フェーズ③検証:PSF→PMFの2段ゲート

検証フェーズの背骨はPSF(課題と解決策が噛み合っているか)→PMF(市場がお金を払い続けるか)の2段ゲートです。PSFの道具が顧客インタビューとプロトタイプ(インタビューのやり方プロトタイプの作り方)、PMFの道具が有料トライアルと継続率です。判断基準を先に数字で決めておく設計はPoC止まりを防ぐ検証設計で解説しています。

フェーズ④事業化:KPIツリーと段階投資

立ち上げ後は、フェーズに応じてKPIを切り替えるKPI設計と、検証の通過ごとに予算を解錠する段階投資が実務の中心になります。ここまで来ると、フレームワークより「毎週の学習ループ」(学習ループの回し方)が主役です。

フェーズ別・いま使う道具はこれだけ 道具の数ではなく「使う場面と順番」がフレームワーク疲れを防ぐ 使う道具(主役) 今は使わなくてよい道具/寄り道 テーマ探索 アセットの棚卸し 自社の技術・顧客基盤・知見を書き出す 市場分析系(PEST・5F)・SWOT → 先に使うと企画が一般論になる 仮説整理 リーンキャンバス 1枚 9マスのうち一番怪しいマス(多くは「課題」)が次の検証対象 ビジネスモデルキャンバスとの 二枚持ちは不要 検証 =2段ゲート PSF → PMF の2段ゲート PSF 課題と解決策が噛み合うか 道具:顧客インタビュー    /プロトタイプ PMF 市場がお金を払い続けるか 道具:有料トライアル    /継続率 ※判断基準は先に数字で決めておく 判断基準を数字で決めないまま 検証に入る → PoC止まりになる 事業化 KPI設計 + 段階投資 フェーズに応じてKPIを切替え、検証の通過ごとに予算を解錠 フレームワークを足すこと 主役は「毎週の学習ループ」 大原則:フレームワークは「考えるため」ではなく「検証するため」に使う 埋めて満足するものではなく、「どのマスが一番怪しいか」を見つけて顧客に確かめに行くための地図。
フェーズ①〜④で主役になる道具と、今は使わなくてよい道具の対応表。検証フェーズはPSF(課題と解決策が噛み合っているか)→PMF(市場がお金を払い続けるか)の2段ゲートで構成される。
大企業780社の調査では、新規事業テーマのうち立ち上げに至るのは45%、単年黒字化は17%、中核事業化は4%(アビームコンサルティング・2018)。歩留まりを決めるのはフレームワークの数ではなく、検証の量と順番です。

迷ったら「いま確かめたいことは何か」に立ち返ってください。それに答えられないフレームワークは、今は使わなくてよい道具です。全体の流れは新規事業の進め方 完全ガイドをどうぞ。

出典:アビームコンサルティング「大企業の新規事業実態調査」(2018・780社)。